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2007/08/22(水)
『介護市場の抱える課題』

いつもは追記にニュース記事を載せていましたが、今回は先にニュース記事のほうを載せておきたいと思います。


介護ビジネス 成長産業曲がり角
 制度改正で業績悪化
8月22日9時50分配信 毎日新聞

高齢化の進展に伴い、成長が期待された介護ビジネスが今、岐路に立っている。サービスの対価となる介護報酬の引き下げで企業業績が悪化し、撤退も相次いでいる。訪問介護最大手、コムスンの不正発覚は、介護業界への信頼を大きく傷つけたが、コムスン以外でも介護報酬の不正受給などが後を絶たない。今後も介護を必要とする高齢者は増える一方だが、担い手となる介護業界には課題が山積している。【平地修、工藤昭久】

◆撤退
 「昨年から会社を買ってくれないかという話が、どんどん来ている」。東京都内を中心に介護事業を展開するある企業幹部は明かす。経営悪化で事業撤退を決めた企業からの売却話だが、すべて断っているという。「利用者を増やしても採算は合わないし、経営が苦しい企業は何らかの不正をしている可能性が高い」との理由からだ。
 00年の介護保険制度の導入に伴い、政府は介護業界への民間の参入を積極的に後押しした。だが、介護業界を取り巻く経営環境は厳しさを増している。野村証券金融経済研究所の繁村京一郎・シニアアナリストは「06年4月の制度改定に伴う介護報酬の引き下げで、特に訪問介護はビジネスとしては全く成り立たない状況だ」と指摘する。

◆模索
 苦しい現状を打破しようと各企業は、生き残りをかけて経営改革に取り組んでいる。訪問介護が中心の「ジャパンケアサービス」(東京都豊島区)は、昨年4月の介護報酬の改定で売上高が約1割低下した。新たな収益の柱として、改定と当時に夜間対応型の新たな訪問介護サービスを始めたが、1年目では埋めきれなかった。
 新サービスは、利用者の自宅に専用端末を置き、夜間いつでもオペレーションセンターの看護師らと連絡がつく体制をとり、必要があればヘルパーが介護にかけつける仕組みだ。「1事業所ごとに100人の利用者を確保すれば、採算ベースに乗る」(池田尚取締役)と、利用者拡大に力を注ぐ。
 同じく訪問介護の「やさしい手」(目黒区)は昨年4月の制度改定に伴い、約1億円をかけて独自に開発した最新のシステムを導入した。ヘルパーのシフトを厳密に管理し、効率よく利用者の自宅を回れるようにするのが狙いだ。

◆モラル
 ただ、各社が頭を悩ませるのは深刻な人材不足だ。景気回復とともに、「3K」と呼ばれるヘルパーの職場離れが進んでいる。やさしい手は、24時間巡回型の訪問介護サービスを展開しているが、「ヘルパー不足からサービス地域を絞らざるを得ず、採算がとれなくなった」(三鷹店)という。人材確保のために給与を上げれば、更に採算が悪化するというジレンマに陥っている。
 企業モラルの低下も目につく。厚生労働省によると、00~05年度に不正に伴い指定取り消し処分を受けた介護事業所は計409件、不正請求された介護報酬の返還請求額は約55億円に上る。「コムスンの不正は意図的であまりにひどいとしても、経営の悪化から不正請求に走ってしまうケースもみられる」(自治体関係者)という。
 高齢化社会はまだ入り口に入ったばかりで、今後も介護サービス利用者は増え続ける。高齢者が安心して介護が受けられるために、官民一体となって、健全な介護ビジネス市場の育成が求められている。

介護保険市場

 ◇介護市場は今後も拡大
 介護市場は今後も大幅な拡大が見込まれる。介護保険の給付対象になる要介護と要支援をあわせた認定者数は05年度で432万人、保険料や国費から支出される介護給付費用額は5兆6582億円。厚生労働省の試算では、25年度には認定者数が約1.8倍の780万人に拡大し、費用も17兆円と現在の約3倍に膨らむとの見通しだ。
 介護保険制度では、サービスを提供する事業者に支払われる報酬の単価が定められている。事業者はサービスの提供時間などに応じて介護報酬を受け取り、うち9割が介護給付、残る1割は利用者の自己負担で賄われる。企業にとっては、収入のほとんどを介護報酬が占める形だ。
 だが、高齢者の急増を見据え国は報酬の抑制姿勢を見せており、昨年4月の改定では、報酬全体で0.5%引き下げられた。特に、利用者の多い在宅で軽度の要介護者に対するサービスの報酬は平均5%減となり、企業は大きな打撃を受けた。
 今後も介護市場は拡大が見込まれるものの、労働集約型産業の介護ビジネスではコストの削減余地が小さく、顧客となる利用者を増やしても、採算が改善するわけではない。また、いくら質の高いサービスを提供しても、受け取る報酬は一定であるため、「企業努力が業績に反映されない」(介護大手)といった不満も高まっている。

出所:yahoo!ニュース

介護保険になって、介護(福祉)が国民の権利の一形態から、無形商品へと変化し、公的保障の側面よりも自由市場的側面が強くなってきています。
とはいえ、もともと介護保険制度は、「介護にまつわる諸問題は個人の問題ではなく、社会全体が取り組む問題なんだ」というところから出発しています(表向きは)。その方策として、行政・社会福祉法人だけに門戸を開いていたものを民間企業にも拡大して、広くサービスを利用していただくよう働きかけていたはずです。
民間企業が参加することで、介護サービスはひとつのパッケージ商品となり、介護サービスに関わる人件費&事務費&諸費用によって価格が決まっていくことになります。そこで市場原理による競争、お客の奪い合いがあり、より安く、よりよいサービスを。。。になっていくはずだったのですが、完全な自由競争ではないこともあって、まさに記事の最後の一文「いくら質の高いサービスを提供しても、受け取る報酬は一定であるため、「企業努力が業績に反映されない」といった不満」が、介護ビジネスが抱える根本的な問題を示していると思うのです。

基本的に、介護が経済効率性の対極にあるようなものですからね。ある程度は効率性のラインに乗せることができるのでしょうが、それは「押し付け&やりっぱなし介護」になる諸刃の剣です。残存能力の維持を見据えた見守り介護は、時間をかけて待つ。これしかありません。人海戦術頼りの介護サービスで、まともに採算を取ろうのは難しいのかもしれません。手厚い介護を提供しようとすればするほど、経営は先細りになってしまうのですから。

ツアーパッケージじゃないですが、オプション費用みたいな形で、介護保険外の実費徴収で手厚い介護を。。。とも考えました。ですが、たまにいく旅行ならちょっと豪華に…とも思いますが、日々使うものならば、そうそう負担増にはできないでしょう。
サービス提供者とサービス利用者、双方にとってプラスになる(経営が安定的に推移しながら、一定水準の介護サービスが保障される)仕組みってないものでしょうか。

こういうとき…古典劇なら、神様が最後にでてきて、「お前はあれをしろ、お前は誰それとくっつけ」と交通整理してくれるんですが、現実世界にはそういう都合のいいコトはありませんよね。それぞれの分野の専門家が意見を持ち寄り、どうしたら健全な市場を構築できるのか考えていかねばなりません。

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